第5回 古代、虫歯の原因は「歯虫」と考えられていた

虫歯がこの世に現れたのは、100万年~200万年前と言われています。南アフリカのダウングで発見されたアウストラロピテクスの頭がい骨を調査した結果、虫歯が存在していたことが判明したからです。人類は、発生当初から虫歯に悩まされていたのですね。

日本でも、縄文時代晩期の頭がい骨を調査したところ、一人3~4本の虫歯を有していたことがわかりました。 現在、虫歯の原因はミュータンス菌をはじめとする口中の細菌であることがわかっていますが、古代人はどのように考えていたのでしょう。文献によれば、古代バビロニアでは、「歯虫」が引き起こすと信じられており、歯痛が起きたときには、虫歯祓いの呪文を三度唱えたということです。

この歯虫の存在は洋の東西を問わず信じられており、日本最古の医学書「医心方」には、“長さ6~7寸で黒い頭を持つ白色の小虫”と記載されています。この歯虫を駆除するために、18世紀の前半頃まで、ネギやニラを使ったいぶり出しが行われていたということですが、なんだか、とても臭そうな治療法(!?)ですね。